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スマートフォン史上最強「A12 Bionic」とは

f:id:frmski:20180930152523j:plain 9月に発表されたiPhone XS/XS Max/XRには「アップル A12バイオニック(Apple A12 Bionic)」が採用されています。
世界最大の半導体製造ファウンダリ「TSMC(台湾)」で製造された7ナノメートルプロセスラインで生産される最新鋭のモバイルプロセッサです。
自分もiPhoneXSを購入して使ってみましたがX/8Plusと比べてみてもかなり快適。今回は、この新しいチップの何がすごいのかについてまとめてみました。

69億個のトランジスタ

A12Bionicは、システム構成は同じながらiPhoneX/8PlusのA11Bionicプロセッサの43億個を大きく上回る69億個のトランジスタを集積しています。高性能コア2個と高効率コア4個の組み合わせで、動作クロックの向上と合わせて高性能コアの性能が最大15パーセントも引き上げられています。
また稼働コア数と動作速度をダイナミックに切り替えるフュージョンアーキテクチャを採用することでA12Bionicプロセッサでは従来よりピーク性能を引き上げると同時に、アイドル時の消費電力を低く抑えることで高性能化とバッテリ動作時間という相反するスペックを高い次元で両立しています。

強化されたメモリとGPU

XRはiPhoneXと同じ3GBのメモリですが、XSシリーズではiPhoneとして過去最大容量の4GBに増強されています。
またGPUコアにはアップル独自設計のアーキテクチャが採用されており、A11Bionicの3コアから4コアに強化されており、A12では新たに3Dオブジェクトを構成するポリゴンをより細かく分割して滑らかなオブジェクト形状を実現する「テッセレーション」と、3Dオブジェクトの表面の質感表現を向上させる「マルチレイヤーレンダリング」がサポートされ、3Dゲームなどの映像のリアリティを向上させることができるようになりました。また限られたメモリリソースを有効に活用する「ロスレスメモリ圧縮」技術が導入され、メモリ領域や帯域の消費を抑えることが可能になっています。

ニューラルエンジンの大幅強化

A12ではA11の60000億回/秒の演算能力であるのに対し、5兆回/秒と大幅に向上。ニューラルエンジンの役割は、画像認識や音声認識と行った機械学習をより高速かつ提唱秘伝rヒョクで推論処理することにあります。これによってiPhone内部でほとんどの演算処理(エッジサイド処理)が可能となり、通信トラフィックの低減とプライバシー情報に対するセキュリティ向上を実現しています。

スマートHDR

大幅に強化されたニューラルエンジンや画像処理プロセッサによって可能となったのが「スマートHDR」です。
一度のシャッター操作で自動的に露出やタイミングの異なる複数の写真を撮影し、車道やハイライトを適切なバランスで合成しつつリアリティに溢れた一枚の写真をリアルタイムに合成します。また「ボケと深度コントロール」機能が搭載され、撮影後にも背景のぼかし具合を調整できます。

ARアプリケーションの性能が飛躍的に上昇

これら供されたGPU、画像信号プロセッサ、ニューラルエンジンの組み合わせはARアプリケーションのリアリティを飛躍的に向上させています。これらの機能はCoreMLやARKit、メタル2などのAPIを通じてデベロッパに解放されており、より魅力的なアプリケーションの開発が可能となっている。

まとめ

アップルは今回、AR/VRや画像/音声認識と行った新聞屋の処理を実行するコアプロセッサを大幅に強化することで、新しい時代のアプリケーションが求める性能を限られたバッテリ容量で実現することを目指し、A12Bionicの強化ポイントを選定したと言えるでしょう。2020年に発売されるとされる片目8KのMRデバイスが楽しみです。